2016年10月01日

相続と相続税とは?相続税の種類や基礎控除額の計算などについて

相続の多くは「身近な人が亡くなった時」に始まります。「そんなこと考えたくない!」という人も多いと思いますが、いざという時のために知識を得ておくと少しでも安心できるものです。ここでは相続と相続税についてご説明します。

相続とは?

相続とは、人が亡くなった時に亡くなった人(「被相続人」といいます)が持っていた「財産上の権利と義務の一切」を引き継ぐことです。引き継ぐ権利を持つ人(「相続人」といいます)は、「被相続人」の配偶者や子など、一定の身分関係にあった人が該当します。

相続人になれる人とは

相続人の範囲と順位を説明します。まず、亡くなった人の「配偶者」は常に相続人となります。「配偶者」以外の人は、次の順位になります。

第1順位

亡くなった人の子供。
該当する人が既に死亡している場合は、その子供の子や孫など(「直系卑属」といいます)が相続人となります。

第2順位

亡くなった人の親。
該当する人が既に死亡している場合は、祖父母が相続人となります。

第3順位

亡くなった人の兄弟姉妹。
該当する人が既に死亡している場合は、その人の子が相続人となります。

相続人には、第1順位に該当する人がいる場合、第2・第3順位に該当する人は相続人になりません。つまり、亡くなった人に子供・親(両親)・兄弟姉妹がいる場合は、子供だけが相続人となります。

  • 「相続を放棄」した人は初めから相続人でなかったものとされます。また内縁関係の人は相続人に含まれないので注意してください。

財産には「プラス」と「マイナス」がある

相続の条件である「財産上の権利と義務の一切」の中には、「プラス」と「マイナス」の財産があることを覚えておきましょう。「プラス」の財産は相続人にとってプラスになるもの、例えば不動産や預貯金などです。それに対して「マイナス」の財産とは、被相続人の負っていた借金などの債務や損害賠償責任のことを指します。相続人は「プラス」の財産は相続するけれど、「マイナス」の財産は相続しない、という選択はできません。相続するかどうかを検討する時には「マイナス」の財産もきちんと把握しましょう。

手続きに期限がある

相続に関する手続きには期限があるので注意が必要です。「相続開始」とは、通常、被相続人の死亡日になります。

相続の放棄

相続の放棄を希望する時は、「相続開始から3ヶ月以内」に被相続人の住所地の家庭裁判所に申し立てをします。「マイナス」の財産が多い場合など、相続放棄の手続きをしないでいると被相続人のローンや借金など「マイナス」の財産も相続するため、相続人が支払い義務を負うことになる点に注意が必要です。また3ヶ月という期間は思っている以上に短いため、期限に気をつけましょう。

遺産分割協議および協議書作成

「遺産分割協議」とは、相続人が複数いて遺言書がない場合、相続人全員で遺産をどのように分けるのかを具体的に話し合う(協議する)ことです。「遺産分割協議」は相続人全員が参加する必要があります。参加していない人がいた場合、その協議は無効になるため、注意しましょう。
協議が成立したら、相続人全員で「遺産分割協議書」を作成します。誰が何を相続したのか、分割内容の合意・確認や、法的にも分割が終了したことを明確にする書類です。相続人の人数分を作成して、全員の署名・押印をして各自1通づつ保管します。不動産や預貯金の名義変更など、相続税の申告書に添付する必要がある大切な書類です。相続税の申告期限である10ヵ月までに作成が終わっていないと、相続税の優遇措置が受けられなくなります。

相続税の申告・納税

「相続開始から10ヶ月以内」に申告・納税する必要があります。10ヶ月を過ぎた場合は、延滞税が追加される場合があります。相続人の人数の確認や必要書類の準備など、時間がかかることを想定して、できるだけ早めに準備を始めましょう。

相続税とは?

相続税とは、相続人が被相続人の財産を引き継ぐ時に支払わなければならない税金です。また相続人でない人が、「遺贈」や「死因贈与」によって財産をもらう場合も相続税の対象になります。

「遺贈」とは

被相続者の遺言による贈与が「遺贈」です。「遺贈」は、相続権を持たない人や法人などに対して贈与ができます。また、「遺贈」は遺言者が一方的に財産を譲る行為で、「遺贈」によって財産を受け取る人(「受遺者」といいます)の意思確認は必要ありません。しかし、受遺者は被相続人の死亡後に遺贈を放棄することができます。

「死因贈与」とは

被相続人が生きている時に「自分が死んだらあなたに財産をあげます」と受贈者と契約することです。当事者間の合意が必要ですが、口約束ならば取り消すことができます。もし契約書を交わした場合は簡単には取り消すことができなくなります。

「基礎控除額」を超えなければ、申告・納税の必要はない

遺産相続をした全ての人が相続税を納めるわけではなく、相続財産の課税価格が「基礎控除以下」の場合は、申告・納税の必要はありません。

課税価格とは

相続財産の価額から債務と葬式費用・非課税財産を差し引いて、みなし財産・生前贈与財産を加算した額のことです。


「基礎控除額」の計算方法

現在の基礎控除額の計算方法は以下を参照してください。

3,000万円+(法定相続人1人につき600万円)

例えば、法定相続人が3人いる場合は、
3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円
となり、課税価格が4,800万円以下の場合は申告・納税の必要はありません。
また、配偶者(被相続人の妻または夫)には税額軽減の特典が設けられています。

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