2016年10月01日

相続の3つの方法(単純承認、限定承認、放棄)と手続きについて

相続をするのか、放棄するのか。相続をするにしても「プラス」「マイナス」の財産の判断がすぐにできない…こういった場合もあるでしょう。そんな時のために相続の方法を選ぶことができます。手続きの方法の選択は、相続開始後の3ヶ月以内に決める必要があります。

相続には3つの方法がある

3つの方法とは「単純承認」「限定承認」「相続放棄」です。
相続の方法は、相続開始(自己のために相続の開始があったことを知った日のこと)から3ヶ月以内に決定し、手続き(「限定承認」「相続放棄」の場合)をする必要があります。相続を考える期間は普段とは違う雑務が重なったりと慌ただしくなりやすいものです。相続の方法は後悔のないようにきちんと考えて期限内に決めましょう。

1.「単純承認」とは

被相続人が残した財産の全ての権利と義務を、無条件で引き継ぐ方法です。相続人は「プラス」と「マイナス」の財産も合わせて引き継ぎます。

「単純承認」で注意すべき点は、「相続開始後の3ヶ月以内に何も手続きをしなければ、自動的に単純承認になる」ことです。相続開始後の3ヶ月以内に意思表示をした場合、さらに他の2つの方法である「限定承認」「相続放棄」の手続きをしなかった場合(つまり、何も手続きをしなかった場合)は「単純承認」をしたものと見なされます。
初めから「単純承認」するつもりであれば問題ありませんが、「マイナス」の財産が多いなど、相続方法を検討したい場合は、期限を意識して3ヶ月を超えないように注意しましょう。
また、複数の相続人がいてそのうちの1人が勝手に遺産の一部の現金を使うなどの行動を起こした場合、自分は「相続放棄」しようと考えていたとしても放棄できなくなることがあります。

2.「限定承認」とは

相続時に「プラス」と「マイナス」の財産のどちらが多いか、すぐに判断ができない時などに選択される方法が「限定承認」です。
「限定承認」は引き継いだ「マイナス」の財産、つまり債務の弁済を引き継いだ「プラス」の財産の限度内で行います。そのため、債務の弁済に自分の財産を使う必要はありません。債務を引き継いだ「プラス」の財産で弁済した後に財産が残れば、相続することができます。

「限定承認」は手続きが必要

「限定承認」を選択するには相続開始後の3ヶ月以内に被相続人の住所地の家庭裁判所で申し立てをする必要があります。

「限定承認」は相続人全員が合意する必要がある

「限定承認」は相続人が複数いる場合、相続人全員の合意が必要になります。反対者が1人でもいる場合は認められません。相続放棄をした人がいる場合は、その人以外の相続人全員が合意すれば「限定承認」が選択できます。
このように「限定承認」は相続人全員の合意が必要であり、手続きが複雑なため、実際に「限定承認」を選択する人は多くありません。

3.「相続放棄」とは

遺産相続を辞退したい、明らかに「マイナス」の財産が多いなどの場合は、「相続放棄」を選択することができます。「相続放棄」の手続きを完了すれば、相続に関する一切の権利や義務を放棄できます。つまり、プラスの財産を受け取らない代わりに、マイナスの財産も引き継ぎません。

「相続放棄」は3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てる

「相続放棄」の手続きは、相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内に、亡くなった人の住所地の家庭裁判所に申し立てが必要です。家庭裁判所には「相続放棄申述書」「亡くなった人の住民票除票または戸籍附票」「相続放棄する人の戸籍謄本」などを提出します。書類の準備に時間がかかる場合もありますので期限には気をつけましょう。

「相続放棄」の撤回はできない

家庭裁判所に一度書類を提出した後は、「相続放棄」を取り消すことはできません。「相続放棄」の手続きを完了すると、初めから相続人ではなかったとみなされます。

「相続放棄」は1人での手続きが可能

「相続放棄」は、各相続人が個別に申し立てることができます。ただし、自分以外の相続人に「相続は放棄する」「財産は全ていらないからマイナスの財産も関係ない」と文書や口頭で伝えていても、手続きをしていなければ無効になるため注意してください。

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