2016年11月28日

宅地の評価額が最大80%減額!「小規模宅地等の特例」

同居していた夫(親)が亡くなった後も、親族の生活は続きます。でももし相続税の支払いのために自宅を売却しなくてはならなくなったら、生活の基盤を失うことになります。そんな事態を避けるためにも、節税の意味も大きい「小規模宅地等の特例」の適用のための要件などを確認しましょう。

小規模宅地等の特例とは

小規模宅地等の特例とは、亡くなった人と生活を共にしていた親族が、亡くなった人が住んでいた自宅(居住用)や事業用の宅地についてその宅地の評価額を最大80%減額してもらえるという規定です。
例えば宅地に5,000万円の価値があった場合、小規模宅地等の特例が適用できれば、評価額を1,000万円とすることができ、大きな節税になります。

小規模宅地等の特例の目的は「残された親族の生活を守ること」

小規模宅地等の特例は、残された親族の居住や事業を守って、その生活の基盤を壊さないようにすることが目的です。自宅(居住用)や事業用の宅地を他の土地と同じように財産評価して高額の相続税が発生したら、自宅や事業所用宅地を売却して税の支払いにあてなくてはならない場合もでてくるかもしれません。そうすると、住むところがなくなる、事業の継続が難しくなる等、生活自体ができなくなります。そういった事態を考えた特例なのです。

特例を受けるための要件

小規模宅地等の特例の適用を受けるためには、前提となる要件があります。

相続前の用途
亡くなった人が自宅または、事業用として利用していた宅地であること。
相続後の利用状況
相続人が同居していて、相続後も継続して住むこと。
土地の面積の上限
  • 自宅用の土地…面積が330m2(約100坪)まで
  • 事業用の土地…面積が400m2(約120坪)まで

また、特定居住用宅地等の要件が緩和されて平成26年1月1日以後の相続から適用されています。「二世帯住宅」と「老人ホーム」についてどのように変更になったのかご紹介します。

二世帯住宅の場合

要件の緩和前は、被相続人と相続人が二世帯住宅に住んでいても、建物の中でお互いに行き来ができない構造だった場合は、「別居」とされていました。しかし現在は、区分所有建物登記(区分登記)がされていなければ「同居」としてみなされます。

老人ホームに入所していた場合

要件の緩和前は老人ホームに入所していた場合は「自宅は老人ホーム」とされていました。しかし現在は以下の2点を満たしていれば入所前に住んでいた家が「自宅」として認められます。

  • 被相続人に介護が必要なため、介護施設に入所したものであること(要介護認定等を受けている)。
  • 対象の自宅を貸し付けなどの用途に使っていない。

これらを前提要件として、さらに個々の状況によってさまざまな要件が追加されます。要件に当てはまるかどうかなど、税務署や専門家に確認してみることもおすすめします。

適用される土地の相続人

  • 配偶者
  • 亡くなった人と同居していた親族
  • 生計一の親族(食費や光熱費など、生活に必要なことを同じ財布から支出する親族)

などが該当します。

適用を受けた場合は必ず相続税の申告が必要

小規模宅地等の特例の適用を受けた結果、相続税が0になる人もいます。しかし0だったから申告は不要とはなりません。この特例の適用を受けた場合には、たとえ相続税額が0であっても相続税の申告手続きが必要となるため注意してください。

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