2016年11月28日

子供が全員家を出ていても「小規模宅地等の特例」は適用される?

核家族化が進む現代の日本。勤め先などの理由から子供たちは都会で家庭を持っているなど、子世代が全員、親と別居しているケースも多いでしょう。相続の時に住宅の評価額を下げられる「小規模宅地等の特例」の適用条件は、相続人の誰かが親と同居していること。子世代が全員親と別居していた場合に適用されるケースはあるのか、ご紹介しましょう。

二次相続で「住宅を所有していない場合」は適用される

相続人である子世代全員が自宅を所有している場合、「小規模宅地等の特例」は使用できません。しかし、次の条件を満たせば、子世代が全員親と同居していなくても「小規模宅地等の特例」の適用できます。
二次相続(亡くなった人の配偶者や同居相続人がいない)に限り、相続人本人、またはその配偶者が所有する家に住んでいない場合。(今現在所有していなくても、相続開始前の3年以内に相続人または配偶者が家を所有していた場合は特例適用外となる)
つまり、相続人である子世代の誰かが相続が発生した時点で、3年以上住宅を所有していなければ適用が受けられるのです。
この場合、「小規模宅地等の特例」で必須要件だった「亡くなった人との同居関係」「その後、実際に居住するか」は関係ありません。

子世代全員が家を所有している場合は生前対策を

子世代全員が家を所有している場合、どうすれば適用されるでしょうか。それは所有する家から引越しをして賃貸物件に住むことで適用条件を満たすことができます。ただし、賃貸物件に住む場合は、相続発生の3年前までに行わないと適応されないので注意してください。
この場合は元の所有する家は売却する、あるいは賃貸に出すなどして収入を得る方法もあります。引越しの労力や費用も考慮して検討したほうがよいでしょう。

それ以外に「建物の譲渡や贈与」などの対策もありますが、贈与税や登記費用などがかかることも考慮しましょう。また、引っ越して賃貸物件に住む場合も、譲渡等をする場合も、3年を経過しないうちに被相続人(特例の対象となる土地の所有者)が亡くなった場合は該当しなくなる点に注意してください。
このように実家の相続に「小規模住宅地等の特例」を使用するか、使用しないかの判断は、相続人同士できちんと話し合う必要があります。

亡くなった人が介護施設に入居して空き家になっていた家は自宅になる?

超高齢社会となった今の日本では、家の所有者が老人ホームなど介護施設に入所してそのまま亡くなるケースも今後は増えてくるでしょう。入所中に自宅が空き家になっていた場合は、以下の2点が条件になります。

  • 被相続人に介護が必要なため、介護施設に入所したものであること(要介護認定等を受けている)。
  • 対象の自宅を貸し付けなどの用途に使っていない。

誰も住んでいなくても、この2点を満たしていれば「自宅」として認められて、「小規模住宅地等の特例」が適用されます。

「小規模住宅地等の特例」の適用を利用せずに家を賃貸に出す選択

もし子世代全員が家を所有していて「小規模住宅地等の特例」の適用を受けたい場合は、これまでにご紹介した誰かが賃貸住宅に引っ越す等の対策が必要です。ひとつの選択として、特例を使用せずに、親の家を賃貸に出す「リロケーション」は、家賃収入が得られるというメリットがあります。

子世代全員が別居していて「小規模住宅地等の特例」の適用を受けたい場合は、同居している場合とは違ったさまざまな対応があります。賃貸物件に住む場合でも、相続発生前に3年以上住むという条件を満たさなくてはなりません。どのように対応するのかは早めに検討するように心がけておきましょう。

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