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[ T’act 13号掲載 ]
特別企画
CM企画グループ座談会

CROSS×TALK

リノベーション完了までのプロセスをご紹介します。
専有部分のフルリノベーションを実施したグレイスビル。
企画から完工、入居者決定までを関係者の皆さんに振り返っていただきました。

  • グレイスビル オーナー

    林 幸司 様 Hayashi Kouji

    株式会社日新
    常務取締役 経営戦略部長

  • 施工会社

    長島 守宏 様 Nagashima Morihiro

    株式会社LIXILトータルサービス

  • リノベーション担当

    山本 幹恵 Yamamoto Mikie

    運営本部 CM統括部
    CM企画グループ

  • 運営担当

    横山 友美 Yokoyama Tomomi

    運営本部 運営二部
    運営第一グループ

周辺で進む再開発事業 競争力向上が求められていた

山本
林様から最初にリノベーションのご相談をいただいたのは3年前でしたね。


当時、ビルは築20年を過ぎていました。ほぼ満室での経営が続いていたのですが、賃料を下げて入ってもらうというケースも出はじめていて、大規模なリノベーションが必要だと感じていたんです。そこで空室が出た時点で、その部屋についてプランニングと見積もりをお願いしました。費用感をつかみたかったということもあります。その後いただいた提案を社内で検討して、これから年に2室くらいの割合でリノベーションを進めていくという判断をしました。実はプランニングをしてもらった部屋は間もなく入居者が決まり、通常の原状回復にとどめましたが、次に空室が出たら取り組もうということは決めていたんです。

間取りを変えてキッチンを移動
水まわり設備もすべて交換

横山
その後2021年の秋に今回工事した部屋が空くことがわかり、改めてご提案の機会をいただきました。


3LDKのファミリータイプが空いたので、第1号のリノベーション工事をぜひやろうと思ったんです。

山本
詳細なプランは長島さんにつくっていただきましたが、当社としては、キッチンの位置を変えてリビングに向かったオープンタイプにすることや、和室を洋室へ変更、トイレを独立させる、といったことが必要だと考えて長島さんと何度も細かいやりとりをさせていただきました。

長島
収納の位置とか、既存の収納を使いやすくする工夫についても細かく検討しましたね。


今の入居者は何を重視しているのか、どういう内装が喜ばれるかといった最新の情報も東急さんにいただきながらプランを決めました。9月に部屋が空き、そこから2カ月くらいで着工して1月半ばには竣工しましたから、限られた時間の中で順調に進めていただけたと思います。

長島
お客さまに満足していただける工事ということについては、私たちもいろいろなご提案や取り組みをしています。例えば、賃貸物件はいずれ退去があり原状回復工事が必要になります。そのときにクロスの張り替えがしやすいように、小さなすきまや段差をつくらないなど先の物件維持を見据えた工夫もいろいろしています。

  • 相場より3万円高い家賃を思い切って設定

    横山
    今回のリノベーションの大きな成果は、思い切った賃料設定を貫くことができたということです。リノベーションしたお部屋は、築年数マイナス10年くらいの見当で、周辺の相場も見ながら新賃料のご提案をします。しかし林様からはもう少し強気でいきたいというお話をいただきました。


    今回のリノベーションはほとんど新築といっていいものだと思ったんです。外側の“箱”こそ建築時のものですが、間取りも内装も設備も配管もすべて変えています。入居される方は、まだ誰も住んだことのない空間に住むわけで、非常に大きな価値があると思いました。

    横山
    改めて社内で検討して相場より3万円ほど高い家賃を設定しました。周辺の新築物件を上回る金額ですが、入居希望者の多い1月に募集が始められることもわかっていたので、チャレンジすることにしました。物件紹介写真の撮り方なども工夫しましたが、募集開始から10日足らずで入居者が決まりました。

    山本
    当初から条件のいい1月に募集開始という目標を立てて、それが実現できるように逆算してスケジュールを決め、管理していったことがよかったと思います。ほかにも、3年程前に共用部分のエントランスホールをリニューアルしていただいていますし、最近もカメラ付きインターホンへの交換を全戸でしていただいています。そうした積み重ねも今回の家賃設定につながったと思います。今後もオーナー様の安定した収益の確保を目標に、いろいろなご提案を進めていきたいと思っています。

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    グレイスビル/東京都杉並区高円寺北3丁目40-10(築25年)

リノベーション事例集 2LDKファミリータイプのフルリノベーション

当社とオーナー、施工会社が意見を出しあい、企画から行った大規模リノベーション。
ニーズにあった生活空間をつくるだけでなく、物件に大きな価値を付加することにも成功しました。

  • キッチン

    キッチンの位置を変更し、リビングに向かったオープンタイプに変更。ダイニングと繋がりのある広さを感じる空間に仕上げました。

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  • リビング・ダイニング

    アイボリーの商材にくすみブルーのアクセントクロスを使用し、居住空間全体を明るく柔らかい印象に仕上げました。また、和室を洋室に変更し、統一感を持たせることで開放的な空間づくりを行っています。

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  • トイレ

    洗面所と同じ空間にあったトイレを独立させ、生活動線をスッキリとさせました。ウッド調の飾り棚を配置するなど、シンプルでスタイリッシュな空間に仕上げました。

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  • 収納

    既存の収納スペースを活かしつつ、「使いやすさ」に重点をおいて、細かい部分も工夫しました。

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リノベーションで大きく向上した競争力

当ビル周辺では再開発事業も進んでおり、競争激化が予想されています。満室経営を続け、安定した収益源の一つとして維持していくためにはリノベーションは欠かせないと考えていました。今回まず1室について取り組みましたが、競争力の維持という意味で非常に有効な投資になりました。今後も東急住宅リースさんと相談しながら、リノベーションを継続していきたいと思っています。

株式会社日新 代表取締役社長 角田 充広 様

取材協力

株式会社日新
http://k-nissin.co.jp
現場打ちコンクリート杭打工事などさまざまな基礎工事を担う一方、本社ビルに併設した賃貸マンションのオーナーとして不動産事業を展開。東急住宅リースが管理を受託。

株式会社LIXILトータルサービス
https://www.lixil-totalservice.co.jp
個人客から法人客まで、住宅・オフィス設備に関するリフォーム提案や商品の設置取付などの各種工事、LIXIL製品の修理およびアフターメンテナンス、メンテナンス事業などを展開。

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